愛媛県今治市吉海町福田の吉海郷土文化センターで、砥部焼作家の故森元青芳さんの人形展が開かれている。親交のあった詩人坂村真民さん(1909~2006年)に感銘を受けた作品などが並び、島四国で知られる祈りの島に通じる情景が来場者を引きつけている。
 青芳さんは伊方町生まれで1962年、砥部町五本松に青芳窯を構えた。真民さんとは家族ぐるみの付き合いで、二人展などを開催。人形「念ずれば花ひらく」は、作ったものがイメージに合うとして名付けられたといい、詩に感銘を受けた作品も多い。2013年に84歳で亡くなったが、根強いファンがいる。
 会場では、「念ずれば花ひらく」や、青芳さんが3月3日の誕生日にちなみライフワークとした「ひな人形」、物語を繊細に表現した「ももたろう」など20点を展示。長男で砥部焼作家の志郎さん(57)は「大島の祈りは、人形に通じるところがある」と話している。人形展は29日まで(月曜休館)。